【介護職員初任者研修と実務者研修】どちらを取るべき?
介護福祉の資格で最初に取得する資格が「介護職員初任者研修」です。
しかし、現在では「実務者研修」も未経験者でも資格取得が可能なのです。
では、初めての介護の資格を取得するのに、「介護職員初任者研修」と「実務者研修」どちらを取った方が良いのでしょうか?
資格としては実務者研修の方が上位
介護の資格としては、実務者研修の方が介護職員初任者研修よりも上位の資格になります。
「それならば介護職員初任者研修より実務者研修を取得しまった方がいいんじゃないの?」と思いますよね。
しかし、どちらの資格を取るにしてもそれぞれメリット・デメリットがあります。
介護職員初任者研修のメリット・デメリット
介護職員初任者研修を取ることのメリット
- 取得のための難易度が低い
- 最短1ヶ月で取得が可能
取得するための難易度が低い
以前はホームヘルパー2級と言われていた「介護職員初任者研修」は、講義に加えて実技演習を豊富に取り入れることで、知識技術共に受講者全員が同等レベルで習得出来る事を目指しています。カリキュラムは130時間と決められています。
合格率はほぼ100%ですから、全くの未経験初心者でも取りやすい資格になります。
最短1ヶ月で取得が可能である
資格が無くても利用者への介護や手助けは出来ますが、どうしてかわからずに先輩に言われるままに介護をしていたら事故を起こしかねません。
安全・安心の介護の為には知識と技術が必要になります。知識と技術は、利用者のみならず介護者にとっても大切な事です。
最短1ヶ月で資格取得できるので、できるだけ早く介護の現場で仕事したい人にはお勧めの資格になります。
介護職員初任者研修のデメリット
- 介護福祉士になろうとしたときに実務者研修を受けなければいけなくなる(平成28年度から)
介護福祉士を目指すならいずれは実務者研修の修了が必須
平成28年度から介護福祉士になるには、実務者研修の修了が必須になります。
介護福祉士には3年以上の実務経験が必要なので、今から介護職に就こうとしている人は対象者になります。
実務者研修のメリット・デメリット
反対に実務者研修を取得する上でのメリット・デメリットもあります。
介護職員初任者研修を取ることのメリット
- 未経験からの受講のハードルが高い
- たん吸引・経管栄養ができるようになる
- サービス提供責任者になれる
たん吸引・経管栄養ができるようになる
たん吸引や経管栄養は原則的に医師や看護師しか認められていませんが、実務者研修を修了することでこれらの介護サービスをすることができるようになります。
サービス提供責任者になれる
サービス提供責任者は、訪問介護事業所で必ず配置するよう定められています。
ですから、実務者研修の修了者は施設からも求められていますし、給料なども優遇している事業所も多いです。
サービス提供責任者とは?
訪問介護の計画の作成や相談役、訪問介護員の技術指導などを行います。
介護職員初任者研修を取ることのデメリット
- 未経験からの受講のハードルが高い
未経験からの受講のハードルが高い
まず受講時間は無資格からだと450時間と大変長い研修が必要となります。
実務者研修自体の受講費用は、介護職員初任者研修とあまり変わりません。(スクールに通う場合、相場は12万~16万円ほど)。しかし、ほとんどの学校が介護職員初任者研修修了者を対象にしているか、介護職員初任者研修と同時に受講するコースに設定しています。
(介護職員初任者研修+実務者研修で25万円ほど)
つまり、実務者研修はまったくの介護未経験者では少し難易度が高いということになります。
一般的な英語検定や簿記の資格などを取るときもいきなり2級を受けるのではなく、「まずは3級から受けましょう」などとなっていますよね。
実務者研修は450時間という研修が必要になりますから、費用も掛かり、実際の介護現場で働くのも遅くなるというデメリットがあります。
介護職員初任者研修よりも上位資格となり、業務の範囲は広がることから、高い給料と幅広い仕事が望めるメリットがあります。
介護福祉士になるための必須資格になる
平成28年度からは国家資格である介護福祉士の受験資格に実務者研修が必須となります。
近い将来介護福祉士の資格取得を予定しているならば、未経験でも取得できる「実務者研修」を考えるのも良いでしょう。
どちらを取るかはそれぞれの状況
どちらの資格を取るにしてもメリット、デメリットはあります。
一歩一歩経験を積んでいきたい人には「介護職員初任者研修」を、介護福祉業界で「介護福祉士」や「ケアマネージャー」などの上位資格を視野に入れて頑張りたい人には「実務者研修」をお勧めします。