介護福祉士について
介護福祉士とは
介護福祉士は、いわば「介護のプロ」ということを示すことができる国家資格です。
介護職員初任者研修(ヘルパー二級)は民間資格であり、誰でも受講可能であるのに対して介護福祉士は介護の知識や経験がある人のみが受験できる資格ですので、持っていることで給与や立場が大きく変わってきます。
未経験でも受けることはできるの?
介護福祉士は、介護職未経験者が試験を受けることができません。
介護福祉士の試験を受けるには実務経験3年が以上必要だからです。
(実務経験=実際働いた経験)
介護福祉の専門学校を卒業した方はこの実務経験が免除されます。
以下のいずれかの条件を満たしているものだけ受験可能
- 特別養護老人ホームや介護老人保健施設の介護職員など、主たる業務が介護等の業務である方、介護保険の指定訪問介護事業所の訪問介護員(ホームヘルパー)などで、介護等の業務に従事(在職期間が3年以上、実働日数が540日以上)した方
- 高等学校又は中等教育学校(専攻科を含む)において、福祉に関する所定の教科目及び単位を修めて卒業した方
- 特例高等学校(専攻科を含む)において、福祉に関する所定の教科目及び単位を修めて卒業した後、介護等の業務に従事(在職期間:9ヵ月以上、実働日数:135日以上)した方
※27年度からは、実務経験3年に加えて国が指定する養成施設において6ヶ月以上(600時間程度)の養研研修が必要になります。
試験内容と合格率、難易度
今はまだ受けることはできませんが、予備知識程度に参考にしてください。
試験内容
現在は、筆記試験と実技試験が実施されています。
筆記試験の内容は
- 人間の尊厳と自立、介護の基本
- 人間関係とコミュニケーション
- コミュニケーションの技術
- 社会の理解
- 生活支援技術
- 介護過程
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- こころとからだのしくみ
- 総合問題
となっています。
難易度は?
合格基準は「問題の総得点の60%程度を基準」とされています。
国家資格の中でも難易度は高くないほうで、しっかり勉強しておけば何回も落ちるということはないでしょう。
実際ここ3年ほどの合格率は60%前後となっています。
介護福祉士になることのメリットはある?
介護福祉士の資格を持っていると、給与アップにつながります。
もちろん転職の際に有利になりますし、知識や技術を一通り持っているという証拠にもなりますから信頼も得られるでしょう。
なにより、仕事に対して大きな自信につながります。
介護福祉士の将来性は?
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を取得して介護の仕事を始めた人は、いつかは介護福祉士になることを前提に勉強を重ねていった方が良いでしょう。
介護職員初任者(ヘルパー2級)は、誰でも受講可能であり、年々人材の質の低下が危ぶまれています。
つまり、持っていたところで正直その人の人材としての価値の良し悪しは判断できるほどのものではなくなってきます。
介護職員初任者(ヘルパー2級)では通用しなくなり、介護福祉士の資格が最低限必須になるという時代が来ると言われています。
介護業界で仕事をしていきたいと考えている人は、3年後には受験できるくらいの意思を持って仕事に取り組みましょう。
介護福祉士資格の取り方まとめ
資格取得の3つのルート
介護福祉士の受験資格には「実務経験3年」が必要となります。
この条件はかなり大変な事ですが、来年度(2016年1月)から受験資格に変更があり、試験には「実務者研修」が必要となります。
介護福祉士の資格取得方法には大きく分けて3つのルートがあります。
- 実務経験ルート
- 福祉系高校ルート
- 養成施設ルート
実務経験3年以上、筆記試験と実技試験を受ける。
ヘルパーとして介護福祉施設で実務経験3年以上働いた人が目指します。
現在は実務経験3年の資格だけですが、2016年より「実務者研修」が必要となります。
卒業して受験資格取得後、筆記試験と実技試験を受ける。
高校進学時から介護業界を選んだ人の為のコースです。
福祉系高校でカリキュラムに則った授業により、試験はそれ程苦労しないようです。
⇒高校卒業後、各種養成施設を経験した後、登録認定を受ける。
福祉系大学など養成施設を卒業後、介護福祉士養成施設での1年の勉強が必要になります。
未経験から介護を始める人で一番多いのは1番でしょう。
中には介護系の学校に通い、資格を取得する人もいますが、それよりも実際働きながら勉強した方が現場のリアルな知識が入ってきますし、座って講義を受けているよりもよっぽど勉強になります。
現在、介護福祉士受験に向けて勉強している人も、これからの人も受験資格をクリアすることに専念して、自信を持って国家資格取得を目指しましょう。
介護のプロッフェッショナルになって求められる人材に
介護のプロとして世間からの信頼も厚く、職場からの期待も大きく、あらゆる面で介護実践のプロフェショナルな立場になります。
何年も無資格で介護職をしているのは、絶対もったいないですし、国家資格として認定されれば待遇面も周りの見る目も違ってきます。
厚生労働省は介護福祉士の専門性を高めることに力を入れており、今後の資格取得は厳しくなってくると思われます。資格取得を目指す人は早めの行動をおこしましょう。
現在の介護福祉業は「売り手市場」と言われた時期もあるほどに、多くの求人が有りますが、最近では長く働き続けてくれる人材しか採用しない方向に流れています。
そのような介護業界で、「介護福祉士」の資格を持っている人は、頭ひとつ秀でた人材になりますし、資格を持っていることで希望する職場(給料、勤務時間、福利厚生等)を選ぶことも可能になるのです。
介護業界で長く働いていく意思があるのであれば、ぜひ取得を目指しましょう。